「ちょ、待ってルルーシュ!」
「・・・なんだ。用件は早めに頼む。」
「唇痛いから!お願いだから今日は別の場所でっ・・・」
「お前の身体がどこもかしこも筋肉質なのがいけない。まぁそれなりに柔らかいのが唇なんだ・・・味はイマイチだけどな。」
「そこまで言われると僕すんごい報われないんだけど!」
「いいから早く血を寄越せ。」
スザクの『飼い猫』ことルルーシュ。
フルネームでルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは、生粋の吸血鬼だ。
ある日突然現れた、腹を空かせたルルーシュを気まぐれで保護した結果、スザクは見事ルルーシュの餌になってしまったのだ。
王族らしい彼は修行のために人間界へと降り立った。
次期の王となる為の最低条件は、一人の人間の生き血を、その人間が死ぬまで吸い続けること。
餌を喰い殺して初めて王位を譲り受ける地位が与えられるのだという。
しかしルルーシュは王の座に全く興味がなく、尚且つ現王である父親が大ッ嫌い。
餌を見つけたはいいが、命を落とすまで血を吸う事は無く、親への反逆の意味も込めてお互いに嫌気が差すかスザクが年老いて死ぬかどちらかまで居座ることを決めたのだった。
「そもそも君、契約の時吸血行為はせいぜい3日に1回って言ってたじゃないか!」
「お前の血が美味いのが悪い。それにお前まだ血気盛んな年頃なんだから問題ないだろう。」
「それあんまり嬉しくないし!年頃とか関係ないし!」
スザクを無視して尚もルルーシュは口を近づけたのだが、そこから覗く尖った牙のような歯にスザクはこれから身を襲うであろう激痛を想像して身震いしながら手のひらで口元を覆い隠した。
不満げに眉を寄せて、ルルーシュは一度身体を離した。
「首と腕と背中と胸は硬いし筋が多いから俺が好かん。腹はお前がくすぐったいと言う。足は嫌だと言う。手と唇は痛いと言う。じゃあとどこがあるというんだ。尻か?」
「・・・それも嫌です。」
尻なんかに齧り付かれた日には、椅子に座るのすら苦痛になりそうだ。
「仕方ない・・・ここは俺が譲歩して首にするか・・・」
「そこまでして飲みたいんだね・・・」
「ほら、さっさと首を出せ。」
言われるままにスザクが服を寛げて、既にいくつかの噛み痕がついた首元を晒す。
スザクに正面から抱きつくように腕を回したルルーシュの舌がそっと触れて、その後肉が避けるブツッという音と共にスザクが痛みに顔を顰めた。
次々と溢れ出してくるその液体を必死に舐め、吸い上げるルルーシュの顔が見てみたいから、今度はもっと別の体勢にしようと決めた。
じゅるっ、ごくんという音を聞きながら、スザクはルルーシュの黒髪に手を差し入れて撫でた。
ルルーシュ様のお食事
きっと、ルルーシュが血を飲んでいるときにスザクは「エロいなぁ・・・」とか思ってるに違いない。
っていうか私のネーミングセンスの無さに絶望した!