君に贈る7つの存在





ゼロレクイエム前の空白の2ヶ月間。
いつも以上に第三者視点とルルーシュ視点、スザク視点が混ざって読みづらいです。
そしてやっぱり報われない。








世界の意味を変えたのは誰ですか//君の『世界』は彼女だったはずなのに
どうして罰を待ち望むのですか//罰を与えるのは神か、ヒトか
真実以外はすべて 贋者だと思っていませんか//ウソの中の確かなホントウ
呼吸を繰り返すことが生きる証ですか//『心の中で生き続ける』なんて気休め、要らない
英雄とは 法律的存在ですか それとも道徳的存在ですか//誰かを喪って生まれるソレは英雄?
欠け落ちたものがわかっていますか//その感情の名は
たとえば明日 あのひとに裏切られる可能性を否定できますか//裏切り裏切られ、そして

















































世界の意味を変えたのは誰ですか




「それが・・・」

「そう、俺の・・・俺達のゼロレクイエムだ。」


国の革命。

世界の変革。

それはただ一人の男によって提案された。

そしてそれが成される時。

記号の英雄が生まれるのだ。


「世界は変わる。憎しみの無い、優しい世界へ向けて進み始める。」

「君の・・・世界は・・・」


彼は微笑む。


「俺の世界は、人類全てだ。」








































どうして罰を待ち望むのですか




「君は、死にたいのか?」


スザクは問う。

納得していないわけでも、理解していないわけでもない。

それでも問わずにはいられない。


「死にたくないよ。」

「・・・じゃあ、何故・・・」

「早くゼロレクイエムを実行したいのかって?まさかお前がそんな当たり前の事を聞くとは思わなかったな。」

「君は・・・」

「罪は、全て己に還ってくる。例外は無いし、あってはいけない。」


そう言って彼はマジックを片手に歩いた。

キュッという音と共に壁にかけられている紙に描かれた数字の一つに赤い『バツ』が記された。

終わりへの、カウントダウン。








































真実以外はすべて 贋者だと思っていませんか




ルルーシュ・ランペルージは『嘘』。

ゼロは『嘘』。

ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアも、『嘘』。

全てが嘘で出来ている。

それでも。


「一年以上前、お前と七年ぶりに再会した時。お前の事を『親友だ』と思った心に嘘は無かったよ。」


そして今も。








































呼吸を繰り返すことが生きる証ですか




汗ばんだ身体と、熱い呼吸。

跨っていたスザクの上でもぞりと動いた彼の足が力なくシーツの上を滑る。

シュッという衣擦れの音。

空ろな目の彼はそれでも、手をスザクの肩について重そうに腰を上げた。


「んッ・・・」

「まだ休んでいた方がいいんじゃないか?」

「そんな・・・暇はな、い・・・」


荒い呼吸が耳につく。

体力のない彼はきっとフルマラソン完走後のような疲労を感じているのだろう。

でもそんな苦しげに口から漏れる息が、酷く心を落ち着かせた。

嗚呼、彼は生きている。

まだこの世界に存在している。


「スザ・・・どうした?泣いているのか?」

「泣いて、ないよ・・・」


かいた汗でむしろ冷え始めた彼の身体を、彼が咎めるのも構わずに掻き抱いた。








































英雄とは 法律的存在ですか それとも道徳的存在ですか




「ゼロはこの世界に必要か?」

「必要だ。」

「何故?」

「人々には奇跡が必要だ。誰もがどうにもできない様な現状をぶち壊してくれる存在。それを成してくれる存在。それが人であれ、モノであれ、空想上の存在であれ。ゼロはそれに成る事ができる。そう成るように『創り上げた』。」

「それは僕でなければ成せない事か?」

「お前だからこそ、成せる。そして俺が、任せられるんだ。」


他の誰でもない、お前に。








































欠け落ちたものがわかっていますか




「何を拗ねているんだ?」


清潔なシーツの上。

黄色のぬいぐるみを抱えた彼女は、その声に視線を動かした。

そこで、彼が笑っている。

少し困ったような色も含むそれに彼女・・・C.C.はついっと視線を逸らした。


「別に拗ねてなどいない。」

「どこが。思い切り拗ねてるだろうが。」


拗ねてなどいない。

消え入りそうなその声を発した後、C.C.は抱きしめたぬいぐるみごとベッドに倒れこんだ。

鼻腔をかすめるのは太陽の光を浴びて干されたシーツの匂いと、嗅ぎなれた彼の匂いだ。

出会った時から彼のベッドを占領していたから、その匂いには馴染んでしまった。

香料に邪魔されない、彼そのもの。


「C.C.」

「煩い。私は眠っているんだ。」

「起きているだろう。」

「煩い。お前など・・・もう知らん。」


それは愛や、恋心か。

そう問われれば真っ向から否定する。

そんなモノではない。

日々の、流れる時間に晒されても色あせることの無いそれは。


「・・・頭でっかちの、童貞坊やが。」


彼の『想い』をぶち壊せたら、どんなに心安らいだだろうか。

そんなことを考えながら涙を流す、革命前夜。








































たとえば明日 あのひとに裏切られる可能性を否定できますか




「お前は俺を殺すんだ。」

「もし・・・」

「ん?」

「もし、僕がそれを拒否したら?」

「拒否するのか?俺達の悲願であったこの計画に幕を引く役目を。」

「もしも・・・の話だ。」

「そうだな・・・もし万が一、そんなことになったら。C.C.を連れて何処かに逃げようか。その時お前は来てくれるかな。」

「僕、は・・・」

「まぁそんな在り得ない未来を想像しても意味はないな。そうだろう?我が騎士にして我が宿敵よ。」







傷を抉り返すようなモノを書いてスイマセン。
でも久しぶりにCルルが書けて楽しかったっす★