※注意

スザクが狂ってます。
かるーく性描写と暴力表現もあります。(何故裏に置かないんだwww)
誰も報われない話なので、幸せな話が読みたい方は見ない方がいいと思います。









































ギシギシと音を立てて軋むのはベッドだけではない。

酷使された彼の身体のありとあらゆる場所の骨も同じように軋んでいる。

それが頭の片隅では分かっていても、スザクは行為を止めなかった。



壊れろ、壊れろ、壊れろ



そう何度も心の中で念じながら自分が跨いでいるモノを揺さぶる。



壊れろ、壊れてしまえ



腕の中の存在は引切り無しに悲鳴を上げた。

ただ絶対に、「嫌だ」と「やめろ」という言葉だけは言わなかった。

だからといって喜んでいるわけではないのだろう。

絶対に、目を合わせようとはしなかったから。



壊れろ、壊れてくれ



半ば願いのようなその叫びを幾度と無く繰り返す。

腕の中の存在が一際大きな声を上げて身体を震わせた。

もう何度目かも分からない、彼にとっての絶頂。

それはきっと快楽を伴ったものではない。

悲鳴を上げ、身体を震わせ、もう殆ど色の無い透明なものを少量零すだけ。

体力の限界なんて当の昔に来ていたはずなのに、それでも彼は拒絶を表さない。

室内は独特の生臭いような臭い。

シーツには無数にできた水溜りと、飛び散った血痕。

それだけでゾクゾクとした快感を得られた。

頭が真っ白になる。



気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい



だから早く



彼と同じように何度目か分からない絶頂を迎え、身を強張らせながら彼の中に欲を放つ。

ドクドクと、いろいろなものが脈打った。

心臓も、彼に挿し入れているモノも、彼のナカも。

身震いしながら深く息を吐くと、ふと彼と目が合った。

今日初めて交わった視線。

その視線は、憐みそのもの。

彼は、叫びすぎて枯れた声で、小さく呟いた。


「す、まな・・・い・・・」


そして彼は涙を零して。


「おれ、は・・・おまえのため、に、こわれて・・・やれない・・・」


白んでいたはずの視界が、カッと赤く染まった。


「・・・るさい、うるさいうるさい!!!俺を憐れむな!同情なんていらない!そんな目で俺を見るな!!」


激情に身を任せて顔を殴る。

続けて腹を蹴りあげると、身を固くして咳込んだ彼の口元のあたりのシーツが新たな赤い染みを作った。


「誰もッ・・・僕を見るな!!!!」


彼の視線に身を貫かれる様な痛みを感じながら、スザクは部屋を飛び出した。





ヒュプノスの眠りは深く










ただ一人残されたその部屋は静寂に包まれた。

ベッドの軋む音も、彼の息使いも、聞き苦しい己の声もない。

ただただ静かなその空間で、ルルーシュはゆっくりと身を起こした。

腹部に走った痛みに息を詰めるが、ゆっくりと浅い呼吸を繰り返しながらベッドに座りこむ。

手首に巻かれたロープを口に銜えて引っ張ると、今まで動きを封じていたのが嘘のようにそれはするりと解けた。

手首には赤い擦り傷ができていたがそれは気にしない。

小さく深呼吸した後、下腹部にそっと力を込めた。

再び蹴られた場所が鋭く痛んで、それに脂汗を浮かべながら歯を食いしばる。

やがてゴポッと音を立てて、ナカに注がれたモノが溢れ出てきた。

以前はバスルームで後始末をしていたのだが、移動中に溢れることもしばしばで、後から床を拭くという二度手間を省くために最近は全てベッドの上で済ませるようにした。

軋む身体を叱咤してベッドから降り、汚れたシーツを取り去って傍に置いておいた新しいシーツを乱雑に敷いた。

いくら几帳面といえど今はとても四隅までしっかり合わせ整える気力はなくて、皺が残るシーツに倒れこむ。

まどろむ意識。

疲労も助けて、このままならば簡単に眠りに落ちることができそうだ。

そう思っていたのに、突如頬に触れた冷たい感触に目をゆっくりと開ける。

目に鮮やかなライトグリーンの髪が視界で揺れた。


「冷やさんと痕が残るぞ。」

「別に、いい。」

「酷い声だな。また手酷くやられたものだ。」


C.C.はルルーシュの腫れた頬に水で濡らしたタオルを乗せ、更には生暖かいタオルでルルーシュの身体を拭いていく。

動く気力も無いらしいルルーシュはただされるがままに目を伏せていた。


「まったく、私はいつから文字通りお前の『尻拭い』になったんだか。」

「べつに、頼んでない。」

「お前男で良かったな。女だったら今頃ベースボールチームが作れてる。」

「ほっとけ。」

「・・・いつまで、続けるつもりだ。」


ルルーシュは押し黙った。

ある日を境に、スザクは唐突に部屋に訪れてはルルーシュを組み敷くようになった。

慣らしもせず乱暴に突き入れて、喚こうが血が出ようが揺さぶって。

そして時には今回のように暴力を振るった後、後始末も何もせずに去っていく。

その生活が、もう随分長く続いている。


「スザクが、泣きやむまで。」


いつもスザクは泣いている。

壊れてくれと叫んでいるのが手に取るように分かる。


「それで罪を償っているつもりか、馬鹿馬鹿しい。所詮はお前の自己満足だろう。お前が受け入れることで、お前はよくても枢木スザクはさらに苦しむだけだぞ。」

「そう、だな・・・。そうかもしれない。」


憐れむな。

同情するな。

そう叫んだ彼はもう崩壊寸前で、だから一緒に壊れて欲しいと叫ぶ。


「あいつは俺を壊したい。だが俺はもうあいつの為に壊れてやることはできない。背負ったものが、大き過ぎたから。」


逃げることも、投げ出すことも許されない運命。

もう、彼の為には動けない。

失った多くのものを取り戻すには、彼を失うしかない。


「ただ俺が赦されたいだけの・・・ただの俺のエゴだ・・・だから・・・」

「もういい分かった。」

「・・・っ・・・う・・・」


軟膏をたっぷり救った指をルルーシュの後孔に突き入れてぐるんと回す。

それにルルーシュは小さく呻いた。

C.C.が近場のタオルでそれを拭って、これまた近場にあった白い錠剤と水の入ったペットボトルを持った。

口に投げ込んだ錠剤を奥歯で噛み砕き、水を呷ってそのままルルーシュの口を塞いだ。

水と一緒に流し込んだ助剤をルルーシュが飲み込むのを確認してから口を離した。

それからすぐルルーシュは目をとろんとさせる。

即効性の睡眠薬は実に重宝した。


「ろろ、は・・・」

「咲世子と一緒に中華だ。」

「てぎ、わ・・・が、いいな・・・」



それからすぐに眠りに落ちたルルーシュに、もう慣れてしまったよ馬鹿者がと悪態を吐いて、C.C.はブランケットをばさりと広げて力無い身体を覆い隠した。



なんかスザクが病んでるっぽいですが、私は病んでません。
いっつもこういう雰囲気のもの書くときは私も病んでるんですが、本当に今回は気分転換です←どんな気分転換だw



2009/08/31 UP
2011/04/06 加筆修正