※ルルが狂っています。
ギアス特殊設定ありで且つスザルル要素皆無っていうかむしろマイナス値叩き出してます。
一応言っておきますが管理人はちゃんとスザク大好きです←
駄目だと思ったらレッツリターン!













































それらは一種の悲鳴だった。

その悲鳴が自分に向けられたものだと分かっていても、ルルーシュはそれを無視する。

教室の、窓側の日差しが暖かい自分の席に腰掛けて、鞄を開く。

教科書と、ノートと、筆記用具。

どうせ使いはしないが、暫くはこっそり居眠りすることも出来ないだろうから、一応勉強する姿勢だけは見せておくことにした。

嫌でも視線を集めてしまう今、いくら熟練していても誰にも悟られずに惰眠を貪るなど不可能。

ざわざわと、教室は音で溢れかえっている。

哀れむ声と、訝しがる声と、気味悪がる声。

当事者であるはずなのに第三者のことに思えて仕方がなかった。

心が静寂に満ちている。

それが何故かとても愉快だった。


「ルルーシュ!」


教室に飛び込んできたのはミレイだった。

切羽詰ったような表情。

ミレイの後ろから顔を覗かせたリヴァルが、彼女をここに呼んだのだと理解した。

自然と人が避けて出来た道を、彼女はずかずかと歩いてルルーシュの前で立ち止まった。


「何があったの?」

「何が、ですか?」

「とぼけるようなことじゃないでしょう!」

「どうしたんですか、会長。何か怒ってるんですか?・・・あ、会長に秘密で予算書き換えたことですか?仕方ないんですよ、あれは・・・ああでもしないと今度こそこの学園は潰れ・・・」

「違う・・・違うちがう!」


ぼろっとミレイの瞳から涙が零れた。

駄々をこねるように頭を振ったミレイに苦笑しながら、ルルーシュは震える彼女に言い聞かせるように囁く。


「本当に、何でもないんです。」


その言葉にミレイは顔を上げて、そして泣きながらルルーシュの髪にそっと触れた。


「貴方達に害はありませんし、貴方達相手なら俺もまだ抑えることが出来ると思いますから。」

「害・・・て・・・抑えるって、なに・・・?」


それにルルーシュは苦笑だけで返した。

教室に、新たに入ってくるものがいたからだ。

彼は目を剥いたあと表情を険しくして、無言で歩いてくる。

ルルーシュも小さく息を吐いて視線を動かした。

はにかむように笑って見せても、彼の表情は固いままだ。


「朝から難しい顔をしているな、スザク。また何かあったのか?」

「あったのは僕じゃなくて、君だろう?」


どうしたんだい?

あざ笑うようなスザクの態度にミレイが目を剥いた。


「ちょっと・・・その言い方は・・・!」

「いいんですよ、会長。」

「ねぇ、どうしたの?その・・・左目は。」


ルルーシュが右手でそっと左目のあたりに触れた。

そこを中心に、顔の左半分を覆うように包帯が巻かれている。

そして左手はギブスのようなもので固定されている・・・というよりは身体に縫い付けるように拘束されているといった表現のほうが正しい。

左目は、悪魔の目。

それを知っているスザクはルルーシュの状態を見て、ギアス絡みだと悟ったのだ。

スザクの手が、そっと動いて。

ルルーシュの左目あたりに触れようとしてくる。

ルルーシュは困ったように嗤った。


「触らない方がいいぞ。それがお前のためだ。」

「へぇ、どうして?ミレイさんは触っていたじゃないか。彼女はよくて僕は駄目な理由でもあるのかい?」

「あるさ。他でもない、お前だからな。」


忠告したにもかかわらず、スザクはそっとその包帯越しに左目に触れた。

次の瞬間。

ミシッという骨の軋むような音と、布の避ける音。

布の避ける音は、ルルーシュの左手のギブスが破れた音だ。

伸ばされた左手が掴むのは、スザクの首。

先ほどとは違った軋む音を立てながら、ゆっくりとスザクの首を絞めていく。

悲鳴が上がった。


「ルルーシュ!」

「ああ、すいません、会長。」


微笑んで、ルルーシュは首を傾げた。

それから自らのギブスに視線を動かし、小さく溜息を吐いた。


「また新調しなくてはいけないな。そろそろ布製も限界か。」

「それよりもスザクを離して・・・っ!」

「すいません、会長。」


同じように繰り返して、ルルーシュは嗤った。

ぎりぎりと締め付ける左手は、ルルーシュ本来の白い肌ではなく。

まるでペンキにでも突っ込んだかのように、ただ真っ黒に染まっていた。

あまりの力に抵抗できないスザクは苦しげに呻く。


「スザク相手だと、多分抑えられないと思うんです。」


害はない。

抑えることができる。

先ほどの言葉がミレイの中で繰り返された。

ぱらり、とルルーシュの左目の包帯が緩んで、解けていく。

赤い、赤い瞳。

そこからまるで植物が根を張るように、黒い筋が幾程にも浮かび上がって顔の左半分に広がっていた。

新しい悲鳴が上がって、何人かの学生が逃げるように教室を飛び出していく。

ははっ、とルルーシュは乾いた嗤い声を上げた。


「スザクがいけないんだ」『スザクがいけないんだ』


声が二重になったような、そんな違和感。


「『俺』を棄てるから」『私の邪魔をするから』


ルルーシュの中に眠る『何か』が、牙をむき出しにして。

喉元に突き刺さる爪がまさにそれで。

獣のようにゴクリと喉を鳴らしながら、『ルルーシュ』は嗤う。

嗤い続けて、そして。



『私の、邪魔をするな』




愛在る悪魔の侵食



(狂って狂って、堕ちていく)




ムシャクシャしてやった、反省はしている←
ってか補足説明しないと全然分かんないですよね、はい、私もわかんないですw


時間軸はR2の序盤で、スザクが復学した後。
本当は1期のユフィが死んだあたりにしたかったんですが、そこら辺になると学校来てる余裕なくなってるかな、と。
暴走して常に開放状態のルルーシュのギアスは使うたびに進化し、ルルーシュの中に『ゼロ』という新たな人格を構成。
左目を中心に侵食を始める。
左手は既に侵食が終わって自制が利かなくなっているためにギブスで固定して余計な動きをしないようにしている(ギブスのイメージはネリ様がしてたアレ)
『ゼロ』にとって『スザク』は最大の敵であるために、左手はルルーシュの意思に関係なく命を狙う。
余談ですが握力はきっとスザクよりも凄い(『ゼロ』が支配する左手のみ)
ルルーシュはルルーシュで、ほぼ半身を喰われた状態なので既に精神は正常な状態ではなく、『ゼロ』が動き出せば抵抗することはない。
『ゼロ』が表に出てこないときは狂ってはいるものの『ルルーシュ』としての自制心は気持ちばかり残っている為、関係のないものには危害を加える気はない。
『ゼロ』の発現条件はルルーシュの命に危機が迫ったときもしくは『スザク』『シャルル』と接触したとき。
どっちかっていうと二重人格よりも『ギアス』に寄生されたっていうほうが正しいかも。


ここまで設定考えておきながら小説に何もそんな描写をいれないなんてwww自分www\(^▽^)/



・・・一応言っておきますが、ここはスザルルサイトです☆


2009/03/04 UP
2011/04/04 加筆修正