特殊設定満載です。
なんか精神年齢低そうな狂気スザクが黒の騎士団にいます。
騎士団好きの人は見ない方がいいと思います。





「どういう・・・こと?」


引き攣って声を満足に出そうとしない喉を、いっそのこと一思いに潰してしまおうかと思った。

『こんな時』に言葉を出せないような喉はいらない。

そんな思いでひねり出した声は酷く醜いものだった。

ドクドクと脈打つ心臓と荒くなっていく呼吸。

眩暈がする。


「ちゃん、と、説明してよ・・・ゼロが、どうしたって・・・」

「俺達の手で殺した。」

「なんで・・・だって彼はッ・・・!」

「俺達を騙してた・・・利用してたんだ。」


然も忌々しそうにそう呟く彼らの声を何度も何度も頭の中で反復し、その意味を理解した途端視界が霞んだ。

脚から力が抜け、その場に崩れ落ちる。

騙された?

利用された?

そんなショックではない。

ただ彼が死んだという事が信じられなくて、認めたくなくて。

その『拒絶』が身体に訴えたように、吐き気がこみ上げてくる。


「ギアスなんてよく分からない力で俺達を操ってたんだ。」

「そんな事、どうでもいい・・・ねぇ、彼は・・・ルルーシュはどこ・・・」


彷徨う視線は彼を見つけることが出来ない。

さらさらとした黒い髪も、優しい紫の瞳も。

抱きしめたら壊れてしまいそうな身体も、どこにもそれらを見つけることが出来ない。

そうしている内に耳に届いたのは、『心臓を撃ち抜き、斑鳩から捨てた』というあまりにも残酷な結末だった。

どうしてこんな事になってしまったのだろう。

考えても考えても、答えは見つからない。

行き場の無い震える手で己の身体を掻き抱く。

胸中にあるのはただ虚無だけだ。


「お前もギアスに操られてただけなんだ!」


煩い、とただ思った。


「そう、だよ・・・僕はギアスにかかってる。」

「やっぱりッ・・・」


目の前が真っ暗になった。

沸き上がるのは負の衝動。

抑えきれないその衝動が、意思など持たない手を動かし、得物を握りこませる。


「『生きろ』と、彼がギアスをかけてくれたからこそ・・・僕はここにいられるのに・・・」


彼がいないなら生きていたって仕方ないのに。

闇にのまれた筈の視界に、赤色が舞った。






コドモ








漂う血臭に眉を顰め、C,C,はデッキに足を踏み入れる。

そこには、血の海と、物言わぬ骸達と、立ち尽くしている男一人。

手には同じように血に濡れた刀を一振り握っている。


「スザク」


小さく名前を呼んでやる。

ビクリと肩を揺らしたスザクに小さくため息を吐いて、C.C.は血溜まりを避けるようにしながら彼に近寄った。

ビリビリと肌に伝うのは彼が放つ殺気だろう。

平静を装いながら距離を詰め、肩に手を置く。


「落ち着け。」

「しー・・・つ・・・るるーしゅが・・・」


泣きじゃくる彼は、その涙が伝う頬も血で濡れていた。

全身に返り血を浴び、もう『憎い人間』は一人も生きてはいないというのに、それでもまだ収まらない殺気に目を細めた。


「忘れたのか、あいつはコードを持っている。それくらいでは死なん。」


弾かれたように顔を上げたスザクはやがて瞳からぼろぼろと涙を零し、しゃくりあげながらよかったと言葉を零す。

まるで親が子供にしてやるような動作で頭を撫でてやりながら、C.C.は惨状を改めて確認した。

ずたずたに切り刻まれた者達。

首と胴が繋がってない者すらいる。

それらは全て不安定なこの『子供』がやったことなのだ。

そして何と愚かなのだと積み上げられたそれらを無感動に見遣る。

事の顛末は、全て見ていた。

『ルルーシュ』がスザクに『願い』のようなギアスをかけたのはもう10年以上も前の話で、今に至るまでの間に『ルルーシュ』はコードを得た。

コードを得るということはそれまで持っていたギアスを失い、新たにギアスを与える力を持つということ。

黒の騎士団という、『ルルーシュ』が作り上げた組織の人間にギアスをかける事など不可能なのだ。

『お前達は騙されていたのだ』と騙され、その真実を最後まで知ることなく、何も成せぬまま逝ったのだ。

哀れ、その一言に尽きる。

どこか祈るように目を伏せたC.C.の服の裾を、スザクが引いた。


「ねぇC.C.・・・まだ僕はコードを貰えないの?」

「お前はまだ駄目だ。」

「早く欲しいよ・・・ルルーシュは18歳の時にコードを受けただろ?僕もルルーシュと同じ年齢で時を止めたい・・・」

「馬鹿な事を言ってないでさっさとルルーシュを探しに行くぞ。そして同じ事をあいつに言って怒られればいいんだ。」


口を尖らせたスザクの手を引き、KMFに押し込んで。

自らも乗り込んだKMFを操作し、C.C.は短い間ではあるが身を置いた戦艦を後にした。





結構アレな内容ですいません。
とりあえず設定を纏めますと

・今現在コードを持っているのはC.C.とルルーシュ
・スザクは小さい頃死のうとしていたところをルルーシュに助けられ、それからルルーシュを慕う
・ルルーシュは18歳でコード継承
・スザクはC.C.に与えられたギアスを持っていて、コードを欲しがっている

とりあえずお父さんC.C.とお母さんルルーシュと子供スザクで、スザクはちょっと壊れた子です。
この後木とかに引っかかってる回復待ちのルルーシュを拾って、C.C.が顛末をチクって、スザクが説教されます。
どんなパロだw
まぁ黒の騎士団代表で誰が喋ってたかはあえて公言しません。


2009/11/13 UP
2011/04/04 加筆修正