「久しいな、枢木スザク。」
その言葉通り、随分と久しぶりな声が耳を掠めて、ゼロは立ち尽くした。
それから小さくため息をついて仮面を外す。
「確かに久しぶりだけど、まずその名前を簡単に出さないでくれるかい?」
「私がゼロと呼ぶ男は生涯一人だけだ。」
「・・・そもそもどこから入ったの。」
「どこからでも入れるぞ。何せ私はC.C.だからな。」
どうやらまだコードを所持しているらしいC.C.はあの時と寸分変わらない容姿だった。
新緑の髪は相変わらずつややかで、スレンダーな体型を如実に表す拘束服を纏っている。
何故またその拘束服を?とスザクは問いかけたのだが、C.C.はそれに苦く笑うだけだった。
「あれから、10年だ。」
「・・・そう、だね。」
あれから。
ゼロレクイエムから。
彼が、死んでから。
長いようで短い10年という月日はあっという間に流れ、世界はまだ辛うじて平和を守っている。
ただ、いつ崩れるかも分からないそれに日々怯えながら。
「それで、何の用?」
「お前の力を借りに来た。」
「僕の?」
「事を大きくしたくない。」
「・・・じゃあそれは『ゼロ』ではなくて、『僕自身』にということか。」
「だからそうだと言っているだろう。」
C.C.はソファーに勢いよく身を沈める。
ボスッっという音。
それを聞きながらスザクはマントを外し、C.C.が腰かけたソファーの向かいにあるソファーに腰掛ける。
ぎゅっとクッションを抱きしめたままボソボソと何か呟いたC.C.にスザクは首を傾げた。
あまりに小さい声を聞き逃して、スザクは聞き返す。
「え、何?」
「・・・嚮団が、動き出した。」
「嚮団って、あの・・・」
「ギアス嚮団だ。どうやら新たに嚮主を据えて活動を再開したらしい。」
ギアス嚮団は、生前ルルーシュが壊滅させた組織だ。
実験を繰り返し、人為的にギアスユーザーを増やしていた。
「でもその嚮主って、コードを持っていないと・・・」
「それが問題だ。コードは世界に二つ。私の額にあるものと、V.V.からシャルルが奪ったもの。私のコードはここにあって、あと一つコードがあるとすればシャルルのものだがシャルルは消滅した。嚮団が失われたことでギアスユーザーは激減した上にコードは発現できる者が限られている。もしシャルルのコードが誰かに移譲されていた場合、シャルルに接点のある人間かつあの時点でコードを発現できる条件を満たしていた者は・・・」
「なにが、言いたい。」
喉の渇きを自覚したスザクの声は枯れてしまった。
しかし例え水があったとしても、それを口に含む気には到底なれなかった。
「あくまで可能性の話だ。嚮主が誰であれ、どちらにしろ嚮団はあってはいけない。」
クッションに顔を埋めたC.C.の肩は少しだけ震えていて。
溜息を吐いたスザクはデスクの上の手帳で己のスケジュールのチェックをした。
殺伐とした嚮団の内部は、瓦礫の山と言っても過言ではなかった。
一応手に銃を持っていながらも、侵入者としての自分に応戦しにきたのであろう嚮団の人間を手刀で昏倒させながらスザクは進む。
早く帰らなくては。
そんなことをぼんやりと考えた。
外で待つように言い聞かせたC.C.はすごく不満そうで、言い宥めるのに苦労した。
もし本当に嚮主が『彼』だったなら、何が何でも連れ帰る。
それはC.C.の願いでもあり、自分自身の願いだ。
例えそれを彼が望まなかったとしても。
そもそも何故ギアスを憎み、ギアスを根絶しようとしていた彼が嚮団に。
考えながらまた一人昏倒させて、スザクは小さく息を吐いた。
警備の多さからいって、目の前に広がる一際大きな扉が最後の扉だろう。
今まで警備の中にあまりギアスユーザーがいなかったのが救いだ。
ギアスを移植する実験は頻繁に行われていないのかもしれない。
色々と分析しながらスザクは扉に手を当てた。
ぐっと力を込めると、ズズズ・・・という地響きのような音と共に扉が開いていく。
扉の隙間から身を滑り込ませたスザクは絶句した。
「そん、な・・・」
「何者だ、貴公は。」
嚮主は優雅に足を組んで、まるで玉座のような装飾の椅子に腰かけていた。
高圧的な笑みを浮かべながら嚮主は立ち上がる。
全身を覆う黒のマント。
赤く染まった瞳がすっと細められた。
「ようこそ、ギアス嚮団へ。しかし我らは貴公を歓迎する気は毛頭ない。今すぐ去るか、去らずに死ぬか・・・どちらか選ばせてやる。」
「待って・・・ル、ルーシュ、なのか・・・本当に・・・」
「ルルーシュ?誰だそれは。私は嚮主L.L.。」
「そんな筈ないっ・・・」
艶やかな黒髪に白い肌。
長身痩躯の体型も、表情も、声も、その指の爪の形ですら全てが彼と重なる。
瞳の色だけは異なるが、彼がギアスを発動させた時の色には酷似していた。
それは誰が見ても『ルルーシュ』だった。
見間違うはずはない。
「ルルーシュ!」
「黙れ。親切に逃がしてやろうと思えば・・・余程その命いらないと見える。」
懐から取り出した銃を構えた嚮主L.L.は、引き金に指を添えながら鼻で嗤う。
スザクは一歩も動かない。
否、動けない。
身体が自由にならないのだ。
唯一動く視線で周囲を探ると、物陰には数人の子供たち。
恐らくそれらはギアスを与えられた子供たちで、スザクは何らかのギアスにかかってしまった。
眉を顰めたスザクに、L.L.は嗚呼・・・と声を漏らして微笑む。
「私の子供達だ。皆得たギアスを使い私を助けてくれるよ。」
「君は・・・利用される子供たちを解放するために、嚮団を滅ぼしたんじゃなかったのか?」
「私が嚮団を?馬鹿馬鹿しい。この世界はギアスによって発展する。世界はギアスの意のままだ!」
彼は本当にルルーシュなのか、と。
スザクは悲しげに眉を寄せた。
彼はギアスで世界を掌握しようとしたわけではなかったはずだ。
ギアスは単なる手段であり、目指す世界はギアスも無く、争いもない世界。
今の彼は、『ルルーシュ』ではないのだ。
「僕を、撃ちなよ。」
「ほぅ、覚悟ができたか。」
「君はいつも言っていたね。『撃っていいのは、撃たれる覚悟がある奴だけだ』って。僕もたくさん人を撃って、君を討った・・・覚悟なんて、とうの昔にできている。」
スザクはほほ笑んだ。
それを見たルルーシュは途端に顔を歪め、震えだす。
立っているのも辛いのか、ガクガク揺れる足を手で押さえつけながらL.L.は苦悶の表情を浮かべた。
「うっ・・・なんだ・・・これはッ・・・!」
ついには片膝をついて崩れ落ちたL.L.をスザクは黙って見つめる。
本当は駆け寄りたいが動きは拘束されたままだ。
意外と冷静な自身に驚きながらもそれを見守る。
「なぜ・・・撃てない・・・私は・・・俺はッ!!!」
スザクは一か八か賭けてみることにした。
もし本当に彼がルルーシュならば。
「ルルーシュ、僕だよ・・・スザクだ。」
あの時。
戦争で離ればなれになって、7年ぶりに再会したあの時。
まだ『親友』だった時の。
「す、・・・ざ・・・」
呆然と呟いたあと、ルルーシュはビクリと身体を震わせた。
銃をとり落とし、頭を抱えて叫ぶ。
「ぁああああああああああああああ-―――ッ!!!!!!!!!!!!!」
耳を劈くような絶叫の後、L.L.は気を失って倒れこんだ。
その瞬間にスザクの身体に自由が戻ってくる。
見れば、今まで隠れていた子供たちがL.L.に駆け寄っていた。
「キョウシュさま!」
「えるつーさま!!!」
倒れてピクリともしないL.L.に縋りつきながら子供達は泣く。
スザクは銃を捨て、ゆっくりとL.L.の傍に歩み寄った。
子供たちが身を固くして睨みつけてくる。
「君たちにとって彼は・・・必要な存在なんだね。」
涙を零す子供たちに、スザクは苦笑した。
「でも僕にも彼は・・・必要な人なんだ。」
抱え上げた彼の身体は酷く軽かった。
「・・・っ・・・」
ぼんやりと目を開けると、そこは柔らかい色に満ちていた。
恐らくルームライトだろうが、まるで夕焼けのような淡い色に照らされている。
身を捩るとそこがベッドだということを知り、慌てて飛び起きた。
「目が覚めたのか。」
「・・・な、んで・・・」
「私がここにいるのか、か?それとも・・・何故お前が生きているか、か?」
ルルーシュ、とC.C.が呼びかける。
ベッドの横にある椅子に腰掛け、見覚えのある黄色の人形を抱きしめたC.C.。
それにルルーシュは身体を震わせた。
「何で俺生きてっ・・・ゼロレクイエムは・・・俺は!」
「ゼロレクイエムは成功したよ、お前の命をもって。ただ・・・もう10年も前のことだが。」
「10・・・年・・・」
「お前はどうやらシャルルのコードを受け継いでしまったらしい。そして記憶を失っていたのをいいことにその身体を嚮団に利用され、嚮主として仕立て上げられて。」
ルルーシュはベッドから飛び降りる。
そのまま部屋を飛び出し、何処かも分からない屋敷の中をあてもなく走る。
少し走っただけでも痛む肺。
それでもここにはいられないと、何かが告げていた。
命を絶つべきだった。
コードを継承して、生きながらえるべきではなかった。
誰よりも『彼』にこのことが知られてしまったら。
「はっ・・・は、・・・」
走って走って、一際大きな扉に辿り着く。
恐らく外へと繋がる扉だ。
扉に手をついて少しだけ呼吸を整えた後、押し開けようと手に力を入れた。
その時、背後から声をかけられる。
「どこに行くんだい?」
「シュナ・・・ゼ、ル・・・あにう・・・」
穏やかな笑顔のシュナイゼル。
彼がここにいるということは。
「君の察する通り、ここは『ゼロ』の屋敷だよ。」
あくまで非公式の、だが。
そう笑ったシュナイゼルはあっという間にルルーシュの手を捻りあげてしまう。
痛みに顔をしかめながらルルーシュはもがいた。
「放せッ・・・俺は!」
「悪いね、君を逃がすなという『ゼロの命令』だから。」
『ゼロに従え』とギアスをかけたのはルルーシュ。
まさかそれがこんなことで仇となるとは思わなかった。
そのままズルズルと引きずられて先ほどの部屋に戻されてしまう。
C.C.はいない。
ベッドに押し倒され、両手首にベルトのような拘束具を付けられてベッドに固定されてしまった。
身動きが取れない。
「君が逃げる姿勢を見せたなら鎖で繋いででも逃がすな、という命令も受けている。」
「・・・ッ!」
「まぁもうすぐ彼も帰ってくるから、大人しくここで待っていなさい。」
シュナイゼルは薄く笑ったあと、ふと後ろの方に視線を向ける。
「ああ、噂をすれば・・・いつもより早いね。」
そう言ってシュナイゼルは踵を返した。
部屋のドアを開けると丁度そこには息を切らしたスザクがいて。
入ってくるスザクと入れ違うようにシュナイゼルは部屋を出て行った。
「ルルーシュ・・・」
「スザク・・・俺は・・・」
「・・・繋がれてるってことは、逃げようとしたんだね。」
ルルーシュは何も答えなかった。
視線もスザクから外し、顔を背ける。
「ルルーシュ」
ぴくりとルルーシュの身体が震えた。
「ねぇ、僕を見てよ。」
「・・・俺は、お前との約束を果たせなかった。」
「うん。」
「知らない内にコードを継承して・・・お前に罰を与えておきながら俺はっ・・・」
「そうだね、君はもう死ねない。罰を受けることができない。」
スザクがベッドに上がり、ルルーシュを馬乗りにする。
そのまま手をルルーシュの顎に這わせて無理やり顔を向けさせた。
瞳の色が紫に戻っている。
それに安堵しながらスザクはその双眸に己を映した。
「だから君はずっとここにいるんだ。」
「スザッ・・・!」
「君がここに・・・僕の傍にいたくないって言うなら・・・僕の傍に居続けることが君への新しい罰だ。」
ルルーシュの肩口に顔を埋めたスザクは少し震えていて、しかしルルーシュは何も声をかけることができなかった。
身体も拘束されているために何もできないルルーシュは何か言葉を言わなければと考えるのだが、最適な言葉が見つからない。
スザクが抱きしめてくる、その腕の力はとても強かった。
「君を喪って、僕は苦しかった。」
「・・・俺は」
「辛くて、苦しくて、死にたいって思っても君との約束とギアスが僕を死なせてくれなくて。」
だからもう、と言って、スザクは言葉を切った。
何かに迷うような視線を漂わせて、ぐっと唇を噛みしめる。
「・・・ごめん、君も・・・辛いはずなのに。」
「スザ・・・ク」
「でもこれだけは分かって欲しい。僕はもう二度と君を失いたくないんだ。」
ルルーシュは何も言わなかった。
スザクもそれ以上は何も言わず、長い沈黙が訪れる。
やがてルルーシュが顔を歪めて、何か言おうと口を開きかけた。
ただその表情だけでスザクは悟ってしまった。
彼が出した答えは、否であると。
言葉として紡がれる前にスザクは行動を起こした。
言葉を紡ぐ役割を果たしていたルルーシュの唇を塞ぐ。
舌が歯列を割って口内に侵入し、犯していく。
あまりの熱さに蕩けそうになる思考の中、ルルーシュは霞む視界でスザクを捉えた。
もう顔に幼さは残っていない。
あれから10年。
逞しい体つきは相変わらずだが。
「んッ、・・・」
ちゅっと大袈裟に音を立てて、スザクの顔が離れた。
「ねぇ、ルルーシュ。僕の傍にいて?」
「・・・っ!」
「君が逃げるつもりなら、僕は一生ここに君を縛り付ける。」
スザクの顔が再び肩口に埋められた。
しかし今度はただ埋めるだけではなくて、そこに露出する鎖骨を舌で舐め上げる。
ざらついた舌の感触にルルーシュは目を剥いた。
「ぁ・・・ひぅっ!」
「君が、必要なんだ。」
「あ、やっ・・・」
吸いついたそこには赤い欝血痕。
その華を散らしていく動きにルルーシュは身を捩った。
いつの間にか纏っていたシャツはボタンが外され、ひやりとした空気が上半身を撫ぜる。
そのあとスザクが腹部をなぞって。
首を傾げたルルーシュが少し顔をあげると、丁度スザクに剣を突き立てられた場所に少し赤い紋章が浮かび上がっているのを見た。
コード。
よりにもよって、その場所に。
ルルーシュが目を剥いたのを知ってか知らずか、スザクはそのコードを舌でなぞるように舐める。
「やッスザ・・・やめ・・・!」
コードを舐めたり、すぐ近くにある胸の飾りに噛み付いたりを繰り返しているうちに、ルルーシュ自身はすっかり硬さを持って立ち上がっていた。
嬉しそうにそれを下着から取り出して、スザクは手で上下に扱く。
先端からすでに溢れていたモノを絡め取っていくせいで、クチュクチュという水音がルルーシュの耳を犯した。
「やぁ、あっ、ん!」
緩急をつけて扱いていく様に、あっという間にルルーシュは翻弄された。
押し寄せる快楽に身悶える度に、手首のベルトとベッドを繋ぐ鎖が擦れ合ってジャラジャラと音を立てる。
一応自由にはなる足の指が白いシーツを引っ掻いて。
ルルーシュは大きく背を仰け反らせて震えた。
「――――っぁあ!!!」
ピュッと噴き出した白濁は腹を汚す。
それを一滴残らず丁寧に舐めとったスザクはほほ笑んで、ルルーシュの髪を撫でた。
涙を浮かべたルルーシュの目尻を舐めながら、先端に残っていたかすかな白濁を指ですくい取り、後ろの孔に指で擦り込んだ。
狭いそこは指一本が精いっぱいで。
苦痛に顔を歪めながらルルーシュは掠れた声で喘いだ。
「スザクっ、やめッ・・・」
ゆっくりと、傷つけないように解していく。
次第に軟かみをを帯びてくるそこに挿入する指を徐々に増やしてグチュグチュと掻き混ぜると、先ほどの射精で萎えていたルルーシュ自身は再び硬さを取り戻し、頭をもたげ始めた。
「ね、ルルーシュ・・・?」
「は、ぁあん・・・あ、ァアッ!」
「ねぇ・・・挿れても・・・傍に行っても、いい?」
ルルーシュの、切なげに震えた瞳から新たな滴が零れ落ちる。
相手を苦しめているという自覚がスザクにはあったが、それでも譲れないものがあった。
スザクが反応を待っていると、ルルーシュは小さく呟いた。
「俺は・・・ぁ、・・・許されるべきじゃな、い。」
「うん。」
「お前は・・・ここに、いるこ・・・が、罰になると言った・・・が、それは・・・違う・・・」
「・・・うん。」
「ここでっ、ん・・・お前、と、一緒にいることを、選んでしまったらっ・・・」
何の罰も与えられなくなってしまう。
傍にいたいと願い続けた・・・それが叶ってしまったら。
「俺だ、け・・・幸せになんて・・・なれ、な・・・」
「君は幸せなんかじゃないよ。きっと僕といることで君はもっと苦しむ。不老不死の君と違って老いる僕の傍にずっといて、僕が死ぬ時に看取るんだ。それが君の罰になる。」
「それ、は・・・いや、だな・・・」
「だろ?だからそれが君の罰だ。」
だから。
そう言葉を続けると、ルルーシュは身を捩った。
勝手に許可が下りたのだと解釈して、いきり立った自身を数回扱いたあとルルーシュの孔に突き立てる。
「あぁ、アッ、んンッ!!」
「キツッ・・・力抜いて・・・!」
「やぁ、あっ!むりっ、だ・・・!」
食いちぎられそう。
ぼんやりと考えながらスザクは腰を使って楔を打ちつける。
角度を変えて、時々違う場所に当たるようにしてやれば、それだけでルルーシュは頭を振って快楽に耐えた。
どんどん声が甘くなる。
涙で潤った瞳が溶けて零れ落ちてしまいそうだ。
「ああ、あァ!!!そこ、やぁあ!!」
「ここっ・・・、?」
明らかに違う反応を見せた一点をスザクはぐりぐりと突き上げる。
強い快楽にボロボロと涙を零しながらルルーシュは身体を跳ねさせる。
ジャラっという鎖の音。
行為に没頭していたスザクはその音で意識を少し戻し音の発生源を見遣れば、ベルトで固定された手首が赤く擦れてしまっていた。
「ねっ、ルルーシュ・・・もう、逃げようなんて考えてない?」
「ひゥ、ぅう、・・・?」
「ずっと僕の傍にいてくれる?」
そう囁きかける。
ルルーシュは少し目を見開いたあと、生理的な涙を零しながらふわっとほほ笑んだ。
その恍惚にも似た表情に中心が熱くなるのを感じて身震いしたスザクは、ルルーシュの拘束を解いてやる。
自由になった手が向かった先は、スザクの背中だった。
それは無意識なのかもしれない。
それでもよかった。
縋るように回されたその手が何とも愛しかった。
快楽に流されまいと抵抗するその手の、指先の爪が背中を引っ掻く。
チリッという痛みを感じながらスザクはほほ笑んで、思い切り腰を打ちつけた。
ついでにそのままルルーシュを抱き起し、ルルーシュがスザクの上に腰かけるような体位をとる。
それによって深くなった挿入にルルーシュはぐっと唇を噛みしめた。
下から突き上げるようにガクガクと揺さぶる。
「はぁッあ、あ、ぅうあッ!!!」
「ルルーシュ・・・ルルーシュッ!!」
スザクの先走りがルルーシュの孔内を濡らしていく。
グチュグチュという水音をさせながらスザクは勢いよく突き上げて最奥を目指した。
「あ、やぁ、ァああ、も、イ・・・!!!」
「僕、も・・・一緒に・・・ッ!」
「ひァア、や、・・・――――っァあ!!」
「クッ・・・!」
ルルーシュが背を弓なりにして達した瞬間、孔がきゅぅぅっと締まって、それに耐えきれずにスザクもルルーシュの奥へと欲を放った。
身体を弛緩させて涙を零したルルーシュをベッドに横たえ、スザクはずるりと自身を引き抜き、その衝撃で震えあがったルルーシュの身体に覆いかぶさるように沈んだ。
鼓動は早い。
丁度腕がルルーシュの胸の上にあって、それで感じることのできる彼の鼓動も同じくらい早い。
スザクはゆっくり目を閉じた。
傍にある、かけがえのない体温を感じながら。
「今度こそ・・・ずっと・・・」
もし、赦されるなら
リクエスト内容:ゼロレクイエム後コードを継承していた記憶喪失ルルが嚮団の嚮主としてスザクの前に現れる
すいませんもう限界でしたー@@;
本当はもうちょっと修正したかったんですが、何せ時間がなくてですね…
これ以上お待たせするのもアレなのでUPしちゃいます@@
通りすがりさま、期待はずれかも知れませんが勘弁してください><